あゆみの取り組み ワーキングメモリを向上させ発達障害の改善
ワーキングメモリーは非常に奥深く1回だけのレポートで重要性や向上策を伝える事が出来ないので、複数回に分けてレポートします。
ワーキングメモリーとは何なのか?
簡単に説明し、その重要性を確認していただきたいと思います。
よく聞くようになったワーキングメモリーとは何なのか?
「エクセルで表計算作りながら、人の話を聞いて答える。」など2つ以上の作業を同時に行う事がすごく不得意という場合、その方は、ワーキングメモリの働きが弱いのかもしれません。
ワーキングメモリとは、一般的に作業記憶、作動記憶と呼ばれます。
脳の前頭前野にまずは目や耳から入ってきた情報が集まります。この前頭前野にはワーキングメモリーと呼ばれる機能(学校でおなじみの黒板の機能)があり、視覚・聴覚などから入ってきた情報このワーキングメモリ(黒板)にメモ書きし、この文字(情報は)を意識しながらどう行動すればいいのか(整理する)を判断します。
通常、黒板に書き込まれた情報は、必要でまだ行動途中のものは消さずに残っているのですが、不要になった場合は、削除されます。
この流れを日常生活の例で考えてみます。
小学生の漢字の書き写しの場合、テキストの漢字を覚えて(黒板に書き写す=記憶して)、ノートに書き写し(黒板の文字をノートに書き写す=整理する)、次の漢字をまた覚える事で前に書き写した漢字を忘れる(黒板の文字を消す=削除)という作業を無意識の中で行なっています。
ちなみにレモンと読みます。この漢字、書けますか?
分かっていただけたと思いますが、漢字や英単語がなかなか覚えられないのもこの仕組みから来ています。
そこで、ワーキングメモリに何度も何度も反復する事で、長期記憶を司る海馬や大脳皮質に情報が伝達され記憶されます。
例だけでなく、全ての行動(学習・運動・日常生活など)は、この繰り返しで出来ています。
このようにワーキングメモリーは、記憶や学習・運動など全ての行動の基礎となる機能なので、この機能がいかに大切なのかが分かっていただけると思います。
このワーキングメモリの能力(黒板の大きさ)は人それぞれ。
学生時代にいたあんまり勉強してないのに頭がいいタイプ。
反して私は、「 漢字が覚えられないよー! 」って母親に泣きついていました。
漢字が覚えられなかった私の場合、頭の黒板の漢字の量が多く処理しきれなかった為に覚えられなかった。
算数の割り算でも大苦戦し、小数点がある割り算の筆算が超がつくほど苦手でした。
この割り算の筆算も、算数の式を解く黒板(ワーキングメモリ)があまりにも小さく、数字を書くスペースが小さすぎて計算ができなかったのです。
記憶が苦手な子供は、記憶する黒板(ワーキングメモリ)が小さい、運動が苦手な子供は、運動する黒板(ワーキングメモリ)が小さい、言葉が苦手な子供は、言葉を話す黒板(ワーキングメモリ)が小さいのです。
この様にワーキングメモリが日常生活に大きな影響を及ぼしていることを理解していただいたら、
次は具体例ごとの困りごとを紹介します。
記憶する事が苦手な子供の場合
情報を黒板(ワーキングメモリ)に書き留めておく事が苦手なため、テキストの漢字をノートに書き写すのが難しく、かつ時間がかかる。 持ってきた傘をお店に忘れる。等も頻繁に見受けられる。
他にも作文の様な長文をかけない。長文問題の前半部を忘れてしまい問題が解けない。
中学になると英語の長文問題は、英文を日本語に変換して、その内容を理解して、記憶して、問題文を解くことになるので、多くの発達障害の子供が英語の授業で苦しむのも理解できます。
子供のうちは、学習面で問題が起きやすくなります。
整理が苦手な場合
情報の整理(=優先順位決めとも言える?と思いますが。)が苦手だと、
アメトークの運動神経悪い芸人! で芸人さんがよく言ってますよね。2つ以上のこと一緒にしないといけないから体が追いつかないと。これも運動のワーキングメモリと大きく関わっています。
他にも、相手の話を覚えてられないので、会話が上手にできないなども見受けられます。
削除が苦手な場合
記憶の削除が苦手な場合は、急な行動の切り替えが難しいようです。
あゆみでも、気持ちの切り替えが難しい子供はたくさんいます。
そこで、今日1日の時間割を子供に先に見せて了承を得てから行動させることで、行動の切り替えをしてもらっています。
全ての現象がワーキングメモリが原因とは言えませんのご注意ください。
次回は、発達障害ごとの対応策とあゆみで実践しているワーキングメモリ強化トレーニングを紹介します。
その他様々な療育で子供のやる気を起こさせます!それがあゆみの療育の真髄です。
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