発達障がいは不登校の原因。現実の対処方法。自閉症編
今回は、発達障害で、不登校の状況にある・または不登校が心配というお子さんを持つ親御さんへ、お子さんの特性やお子さんへの対応についてお知らせします。
その前に、この文章を読んで不安になる親御さんもいらっしゃいると思いますが、ちゃんと対処方法を書いておきますので最後まで読んでくださいね。
発達障がいのお子様が不登校になる確率が高いのは理由があります。
その理由を発達障がいのお子様の特性から考えてみましょう。
定型発達(障がいをお持ちでない)の子供と発達障がいのお子様は、同じものを見たり聞いたり触ったりした場合、感じ方がまったく違うことが多いようです。
学校は、定型発達の子供が違和感なく生活できる環境ですが、発達障がいの子供には、人の大きな声や人との関係などの刺激が多い学校はとても辛い場所で、これが不登校の原因になることが多いようです。近年では、このような事例が病院等でも多く報告されています。
2010年に発表された研究では、不登校児童のおよそ20%が、知的障害をともなわない発達障害を抱えていると報告されています(原田直樹・松浦賢長(2010)/学習面・行動面の困難を抱える不登校児童・生徒とその支援に関する研究/日本保健福祉学会誌・16・13-22)。発達障がいの子供の割合が約6.5%だとすると、定型発達の子供の約3倍の比率だとわかります。発達障がいの子供にはこれほど学校は生きづらい場所だと理解してください。
他にも、学習遅滞によって不登校になるお子さんも、その学習遅滞の背景に発達障害(LD)が関係している場合があります。この比率は不明ですが、発達障がいの子供と不登校には深い関わりがあるようです。
ご承知かもしれませんが、ひとくちに発達障がいと言いますが、特性があり不登校になる原因も違いますので、障がいの種類ごとにまとめてみましたので参考にしてください。ASD以外の事例は次回以降に解説します。
ASD(自閉症スペクトラム)の事例
自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害などを含む、いつくかの発達の障がいを含む集合体をASDと呼びます。
ASDの特徴は、
「 こだわりが強い。 」と「 他人とのコミュニケーションが苦手。 」のふたつです。
まずは、こだわりが強いとは、言葉の通りで、好きなことにのめり込み、それ以外に興味をまったく示さないことっです。
他人とのコミュニケーションが苦手とは、人との距離がわからない、言葉を額面通りに受け取る、相手に思った通りの言葉を言ってしまう。
また、「感覚過敏」の特性を併せ持つ可能性もあります。
学校場面における感覚刺激の例には、音であれば音楽の授業、運動会のピストルの音、などがあります。
どうですか、ASDの子供にとって決して過ごしやすい環境でないのがわかりますよね。
では、ASDの子供が不登校になってしまう原因とは、
1. 好きなゲームをずっとして、やめられないなどのこだわりが強い。
2. 友達とのコミュニケーションが苦手で孤立し、いじめにあうことになり、学校が嫌いになる。
3. 感覚過敏で、学校の生活が耐えられなくなる。 などがあります。
解決方法として、まずは親・学校の職員が発達障がいは、様々な生きづらさを持って生活をしている。
少しでも、これらの生きづらさを解消してあげることが不登校になることを防ぐ手段になることを心底理解してあげなくてはいけません。
具体的事例を紹介します。
ASDの子供の多くは他の発達障がいも併発していることが多く、今回は、ASDとADHDを併発している子供の事例です。
A君は、小学生高学年でASDとADHDを併発しています。
特徴としてASDでは、感覚過敏・ADHDでは、衝動性がみられます。
学校でサッカーをしていましたが、定型発達の子供は気にならないパトカーのサイレンや下校の音楽、先生のホイッスルの音などA君には、苦手な音ばかりに囲まれ、強いストレスにさらされる生活をしていました。
大きな音がなるとかがみこんでしまう彼にサッカーの先生は、何気なく「座ってないで、ちゃんと練習しなさい。」と注意しました。A君は、先生に理解されていないことに腹を立て、衝動的に泣き出し、帰ってしまいました。この日から、とうとう彼は不登校になってしまいました。 音で感覚過敏となり、先生の理解がないことに衝動的に腹を立てました。
ここから彼が、日常生活を取り戻すために大切なことは?
周りの大人が子供の特性を把握し、子供にとって生きやすい環境を作ってあげることができるかどうかにあります?
周りの大人とは?
両親・祖父母・学校関係者・医療関係者・相談員・放課後等デイサービス職員などです。
そして、【 もし、この子の周りにこんなお父さん・おじいさんがいたら最悪です。
俺が若かった頃は、親が厳しくて無理矢理でも学校に行かせられたもんだよ。 ⇦ 再度言います。最悪!です。
あなたとは違います。脳の特性上、我慢できないんです💢 】
そこで、Aくんできるだけ周りの音を遮断できるイヤーマフ
を着用し外出するなどして感覚過敏を少なくする工夫をすることで、徐々に外出もできるようになり、行動範囲を増やすことで、復学への道も見えてきました。
ADHDの特性である衝動性については、キッズサポートあゆみのような療育型の放課後等デイサービスに通い日常生活トレーニングを受けることで、何が自分の衝動性の引き金になるのかを認識し、抑えるトレーニングをすることで、周りとの不仲が消えて行きました。
A君は、結局特別支援学級に復学することになりましたが、週に1〜2回通学できればいいとのことです。
多くの子供は、復学が難しいとの話も聞きます。
A 君の事例で分かっていただけると思いますが、周囲の大人が発達障がいの特性を理解し、事前に生きやすい環境を整備してあげれば、このような事態にはならなかったかもしれません。
ただし、誰も責めてはいけません。なぜなら正直なところ発達障がいを正しく理解している人がほとんどい無いのが現状だから。
特性を理解し、大人がすべきことは、
1. 好きなことを徹底してさせてあげる。そして、褒めまくる。そうすれば自尊感情を高めることができ、いろんなことに恐れずにチャレンジできる心を育めるようになります。
2. 学校・療育センター・放課後等デイサービス等の子供が関係する機関に、子供の診断書や特性・こだわりを書いた紙などを配り、他の子供とのコミュニケーションとの手助けをしてもらい、衝突を避けるようにする。
そして、あゆみのような療育型放課後等デイサービスで子供にあった療育を受けます。そうすることで、一層のコミュニケーション能力を身につけます。
3. 感覚過敏については、特別支援学級との併用で、出来るだけ刺激の少ない落ち着いた環境を作ってあげることが大切です。
このように事前の環境整備が非常に大切になります。特にこれから小学校に進学するお子様は、急激な環境変化にさらされ重度のストレスがかかります。
すぐに、不登校とはならないと思いますが、小学1年生に入学する時に障がいに正しい理解をしてもらうことは非常に大切です。
キッズサポートあゆみでは、入学前に事前にしておきたい事など、相談にのりますのでどうぞお気軽にお電話ください。
まずは、このような事例にちょっとでも当てはまる方は、療育のプロであるキッズサポートあゆみにご相談ください。なんでも相談にのりますよ。