こんにちは、お母さんとお子様の自立案内人 管理者Nです。
今回のブログは、アスペルガー症候群についてです。 アスペルガー症候群は、現在医学的な根本治療策がないのが現状ですが、早期発見早期治療を行えば、SST(ソーシャルスキルトレーニング)やABA(応用行動分析)を行うことでスムーズな社会生活が可能となる場合があります。
あゆみのお子様でもアスペルガー症候群向けに一人一人にあった療育を行っています。一人ひとりの不得意が全く違っている事を踏まえながら療育を行わなくてはいけないことが、放課後等デイサ-ビスにとって本格療育に取り組むことが困難と言われる原因となっています。ホントは、専門知識の不足が第一の理由だといえますが...。
アスペルガー症候群の治療法の前に特徴から。
アスペルガー症候群のお子様は、知的な遅れは見られず、対人関係が苦手で、コミュニケーションをとることが難しいようです。実際に、太っている人にデブと言ったりと、相手の感情を理解せずに、思ったことを口に出すことで、友達から疎まれることになるなど人間関係を築くことが不得意なお子様だといえます。
加えて、予定が突然変更されるとパニックを起こしますので十分な配慮の上変更を伝えましょう。
半面で、こだわりが強く、職人気質であることから、研究者やスポーツ選手として大成功することも多く、褒めて褒めて、褒めまくって、本人の強みを活かす療育を行えば、大成功する可能性を秘めていると言えます。だからこそ、正しい療育を行い、強化子になるような療育を行うことで、子供の成長を促すことが重要なのです。
アスペルガー症候群療育は、大きく分けて3つの療育方法と薬物による治療法が有効だと言われています。
1. ABA(エービーエー、Applied Behavior Analysis)
応用行動分析。広汎性発達障害に対する療育方法の一つ。様々な機関で活用される伝統的な方法の一つですが、これができたらご褒美をあげる。また、同じ行動をしたらご褒美をあげるという方法で、子供の行動を変えてゆくという方法です。様々なシュチエーションで実証されている優れた方法です。講演会・研修会を含め多くの方が採用しています。
2. SST(ソーシャルスキルトレーニング)
対人関係を上手にこなすために、皆で会話形式や絵を使ったトレーニングです。大人になったときに周りとの確執を防ぐスキルといえるかもしれませんね。
過去のSST記事1 過去のSST記事 2
3. TEACCH(ティーチ・Treatment and Education for Autistic and related Communication handicapped Children)
TEACCHプログラムでは、地域の関係者・関係機関が連携を図りながら、生涯にわたって自立支援を行っていきます。その内容は、居住、就労、余暇活動など、多岐にわたります。
なお、TEACCHプログラムは、特定の技法ではなく支援の考え方の枠組みのようなものです。そのため、応用行動分析(ABA)などその他の療育の手法と対立するものではありません。
参考文献:佐々木正美『自閉症児のためのTEACCHハンドブック』(ヒューマンケアブックス)
4. 他にも薬物による治療法がありますが、専門的な治療なのでこちらでは掲載に責任を負えませんので割愛します。
ただし、上記1~4の療育方法だけに頼るのは、得策とは言えません。
アスペルガー症候群は、家族や兄弟、学校、放デイ職員との関わり方で大きく改善されると考えられていますので参考にしてください。
1.否定的な言葉を使わないで下さい。まずは子供のすべてを優しく包みこんでください。
まず理解して欲しいのは、アスペルガーのお子様本人も、成長するに従って、他人との違いや関係性で生きづらいと感じており、何度も同じことで怒られる事が分かっているので、本人は落ち込みやすい感情を自己否定の言葉で表現する事があります。
こんな時、多くの親は、否定的な言葉で出来ない理由を考えさせたり、ダメでしょ!と否定的な言葉を子供に言ってしまいます。親の気持ちも分からないではないですが、お子様も苦しんでいる事を理解してあげて是非、すべてを受け入れてあげてください。例えば、『俺は何をしてもダメだ。どうすればいいのか分かんねーよ。』と弱音を吐いたら、こう言ってあげてください。『そっか、ダメなんだね。どうすればいいのか分からないのね。わかるよ。わかる。わかるけど、それでもお母さんあなたの事、だい・だい・だい・だーい好きだよ。いつだってあなたの味方だから。』
これでお子様の心は落ち着き、自尊感情を少しでも傷つけないように配慮できます。一般的にアスペルガーの子供は自尊感情が低く、否定的な言葉に反応しやすい傾向にあると言われていますので出来るだけ否定的な言葉は使わないでください。
2. 自分の言葉を相手がどう感じるのかを丁寧に教えてあげてください。
相手の気持ちを察することが苦手な凸凹アスペルガーさんは、思った事を口にする特徴があり、相手を怒らせてしまうことが多いようです。先ほどの例のように太った人に『あなたでデブですね。』と言ったりと周りの大人をひやひやさせます。しかしながら、相手の感情を察することが苦手イコール凸凹アスペルガーさんなんだと理解し、なぜ相手が怒ったのか、その時周りの人がどう思ってその言葉を聞いたのかをあいまいな言葉を使わずにしっかり・正しい表現で丁寧に教えてあげてください。
例)『あなたデブですね。』と言ったら、『 あなたが言ったデブという言葉は、すごく人を傷つける言葉なんだよ。これからは人にデブという言葉使わないようにしようね。』と、どの言葉を使ってけないのか。この言葉を言われると、どういう風に相手は感じるのか。を正確にしっかり、正しく、丁寧に教えてあげましょう。そうすることで相手の感情を学び、かつ少しずつ社会のルールを学びます。
伝え方・接し方のひと工夫
凸凹アスペルガーさんは、なんでもかんでも言われた通りに理解します。そこには、ひねりやあいまいさはありません。
お母さんに、『りょうまくん、今日は寄り道せずにまっすぐ帰って来なさいよ。』と言われたときに大惨事が起きます。この小学校、校門を出たら道は左右に分かれています。こうなると道を真っ直ぐに帰ることができなくなり、りょうまくんは、立ちすくむことになります。
他にも、『りょうまくんこのハサミ、そこに置いて』と言ったら、2個あるハサミのうちこのハサミとはどっつちのこと?そこってどこのこと?となります。この時は『りょうまくん、床の青いハサミを、台所の机の上において。』と具体的に分かり易い表現で丁寧に伝えることが必要です。
もう一つは、言葉の表現だけでは伝わりにくいお子様もいますので、保育園・幼稚園から小学校に進学し、キッズサポートあゆみに入園するにあたり、学校の写真をあらかじめ準備し、『あと10日たったらあゆみに入学だね。あゆみに行くとお友達がいっぱいできて楽しみだね。』といった感じであらかじめパニックを起こさないよう、写真や絵を利用し、変化に対応したり自分の意思を伝える手段を用意することも有効です。
次回は、ABA(エービーエー、Applied Behavior Analysis)を簡単に解説します。
子供のできるを増やす!をモットーにキッズサポートあゆみは療育に取り組んでいます。
2018年07月24日 22:59